2012.10.29 月曜日

知識もりだくさん

ハンガリーの刺繍を知っていますか?

たぶんご覧になったら「見たことあるある」となる人が

結構いるのではないかと思います。







糸が太くてふっくらしているのが特徴のある地域の刺繍です。

家庭的な温かみのある風合いがステキですね。



今回は近代の文豪が暮らしていた街の面影が今でも残る

田端にあるハンガリー刺繍教室「筒井ハンガリー刺繍資料室」に

お邪魔したときの記録です。 →お教室の詳細情報はこちら







こちらのお教室で指導して下さるのが筒井先生。

音楽留学でハンガリーにしばらく滞在なさっていたそうです。

もともと民俗学など土着の文化に関心が高く、

それぞれの村をめぐりながらご自身の目でハンガリーの生活を見てこられました。



その中で出会ったのが刺繍。

ハンガリーは多民族で構成されているため、各地域で

様式が異なっています。それらを軒先で縫い物をしているお母さんたちから

下図や出来上がったものを見せてもらっていたとのこと。

留学後も何度もハンガリーを訪れ、現在先生のお教室には

現地に行かないと見ることの出来ない資料や伝統衣裳、作品がところ狭しと

展示されています。

屋根裏部屋、書斎、研究室…のようなわくわくする空間!



















こちらのテーブルクロス、

なんと現地の人間国宝の女性が先生のために

特別にしつらえたものなのだそうです!

鮮やかですね。


カリキュラム通りテキストに従って、というより

手を動かしながらさまざまな知識をお話してくださるような進め方。

お教室にはハンガリー刺繍の本を見てさらに詳しくやってみたくなった方や

何年も通われて刺繍歴も長い方などが一緒にレッスンに参加しています。

みなさんテーブルを囲みソファでくつろぎながら制作されていました。





このところ様々な地域の刺繍教室へ取材にゆく機会が多かったのですが、



生活の中にあり実際に使われている道具を装飾としての刺繍

心の込め方を表す手段としての刺繍



アートでありながら人々の生活に寄り添っている「刺繍」のさまざまな

表情に(一部ではあるけれど)出会えたことはとっても良かったです。

日常の暮らしを楽にしたり喜びを与えてくれる「工夫」が

優れたデザインであり、美しさを感じるものなのだと改めて感じることができました。



笹井先生、ありがとうございました!



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2012.10.29 月曜日

絵筆で描くように針を刺す

日本だと、

お線香、仏像、建造物…仏教は落ち着いた色彩のイメージですが

建立当初の色彩を再現すると、極彩色の鮮やかな世界が現れることに

びっくりする日本人が多いのではないでしょうか。

私もその一人でした。

たしかに大陸の仏教国を見ると、現在も熱心な信仰心をもった方が多いせいか

新鮮な色彩で溢れているような気がしますよね。







今回のお教室はチベット仏教が国教となっているブータンの

職人技術、ブータン刺繍を教えてくださるBluepineさんにお邪魔しました。

→お教室の詳細はこちら



刺繍のモチーフは仏教にまつわる事物や仏様。

(刺繍で形になった仏様を「繍仏」というそうです)

絵筆を刺繍針に持ち替えて「佛画」を描くようなイメージなので

現地では趣味というより職人さんの仕事といった捉え方をされていますが

道具もシンプルなため、刺繍の初心者でも気軽に飛び込みやすいのでした。







鮮やかな色彩構成でも絹糸を使用しているので、

仕上がりはつやっとして優しい印象。











グラデーションが美しいですね!

糸が絵の具のようです。















ハスの花から始まり吉祥モチーフや動物、仏様を制作してゆきます。



生徒さん達が作業するテーブルの上は絹糸や布地が広げられ、色とりどり!

生命力溢れるビタミンカラーづくしで元気をもらえそうな作業場でした。



菊池先生は26年前にネパール旅行中にブータンの工芸品に出会ったところから

ブータンとのつながりが生まれました。

その後現地のJICA事務所での勤務を経て、

刺繍を学ぶため工芸学校への留学を決意。

しかもその工芸学校が外国人留学生受け入れが

菊池先生の入学が初の事例だったことには驚きました。

滞在期間が長かった菊池先生はブータンの文化にも当然お詳しく、

刺繍以外のことも沢山お話していただいて

時が経つのがあっという間でした!







手塩にかけて完成した作品への愛着の強さが作品を見た方にも届くようで、

よく自宅に飾った作品をみたご友人から

「譲ってほしい!」

とお願いされちゃう生徒さんが多数いらっしゃいました。



お教室は東銀座駅からほど近く。

ブータン刺繍のお教室はなかなか探しても見つからないので

Bluepineさんをお尋ね下さい!

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2012.10.29 月曜日

ピルタナウハとは…

冬に向かってだんだんと涼しくなってきました。

北国の人々の冬の過ごし方には素敵なヒントが沢山あるのではないかと思い、

北欧はフィンランドの伝統的な織物を教えていただける

Takku(タック)というユニットのお2人のワークショップにお邪魔しましたよ!

→お教室の詳細はこちら



今回のお教室は世田谷区深沢にある北欧雑貨のお店、fukuyaさんの店舗で

開催されていました。

さっそく生徒さんが織りを始めるタイミングでお教室に到着。



見て下さい!

織り糸は自分の腰に巻いた帯から始まって、イスの脚に結わえて固定されてますね。



織り機はとってもコンパクトで、両膝で挟んで使います。

そして「ピルタナウハ」とは「織って作るリボン」のことで、

織り機のことは「ナウハピルタ」と言うのだそうです。



「趣味?ピルタナウハ作ることかなあ。。。」

とお友達に披露すれば

「なになになにーーーーー!?」

とみんな興味津々まちがいなし!

編み物と同じくらい思い立ったら気軽に作業を始めることが

できちゃうのってとてもいいですね。



リボンに織り込まれる模様は、ヘイディ先生がフィンランドの自然にインスパイアされて

生まれたものたちで、お邪魔したお教室ではラップランドの紅葉の丘をイメージした

リボンを制作中でした。



作業中の生徒さんにお話を伺ってみたところ、糸を通し終わればあとは

サクサク作業が進んじゃうような印象。

小学生の男の子も黙々と作業に没頭していましたよ!

私もやってみたい…!



Takkuのワークショップは都内を中心に、関西方面でも開催されたりと

各地で行われています。



気になる方は予約で埋まってしまうのが早い回もありますので

こまめにチェックをしてみましょう。

Takkuのお二方、ありがとうございました!

TAKKUのホームページ

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2012.10.24 水曜日

見ること

学生の頃に「クレールの刺繍」という映画を観たことがあります。

主人公の女の子が人生モヤモヤ状態から立ち直るきっかけになったのが

刺繍で。。。

みたいなお話だったのですが、とにかく作中に現れる刺繍の作品がステキだなあ

という印象が強く残っていて、いまだに覚えています。

それから自分のイメージしている刺繍と全く違ったことも。



それがフランスのオートクチュールを支えた職人技で、

この度制作風景をこの目で見ることができました。

東京は世田谷区にある、桜新町にお教室はあります!

→お教室の詳細はこちら





今回お邪魔した「Salon de Luxe」の武井先生はフランスの本場仕込みの

テクニックと素材を見る「目」を育ててくださいます。

なぜなら先生は「Ecole LESAGE」(刺繍工房LESAGEの職人養成学校)の

オートクチュールコースを卒業したお方!

間近で見る制作風景は緻密でとっても繊細な印象でしたが、

きちんと制作された作品はひと針ひと針しっかり縫い込まれているので

洗濯しても取れたりしないのだそうです。

逆に既製品のものだと一度ほつれたらスルスルスルーっとビーズが

取れてしまうとのこと。





おもて














うら

















お教室のインテリアは先生がセレクトしたアンティーク家具と刺繍作品、

収納された材料同士が調和しあってまろやかな雰囲気でした。






日常と違う空間に入って「やるぞ!」というスイッチが自然に入りそうです。

生徒さんたちもリラックスして各々の作業に集中されていました。







技術を教えてもらう、それだけでなく武井先生のお教室は

制作のインスピレーションを高めて貰えるような

空間づくりも含めて素敵なお教室だと感じました。



材料も武井先生がセレクトされた良質なものが揃っています。

実際にそれらを使用することによって、

職人・アーティストとしての「目」も育ってゆくというお話を伺いました。

それで学生時代の恩師が話していた

「美術を志す皆にとって『みる』ことはとっても大切なこと。

よく物事を《見る/視覚に入れる》だけでなく《観る/念を入れてみる》こと」

という話を思い出しました。



これが好き これが良い



という「目」ヂカラの強い、とっても魅力的な先生でした。

ありがとうございました。






そんな武井先生が12月にアニマルドール作家の芦塚葉子さんと展示をなさるそうです!

詳細は おとなの芸術村《見たい》 をチェック!

クリスマス前にぜひ足を運んでくださいませ。

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2012.10.05 金曜日

長い冬のお供に。。。

文京区の本郷界隈。。。といいますと学問の権威、東京大学をはじめ

勉学の神様・菅原道真がまつられた「湯島天神」もありますし、

日本の文豪たちの気配が今でも感じられるようなレトロな

佇まいが残っているところも多くありますよね。




樹齢が結構ありそうな

大きな木立が多く見受けられるのも

古い町の証。












今回は湯島駅から公園沿いを歩いていったところにある喫茶店で

開講しているデンマーク刺繍のお教室にお邪魔いたしました。

→お教室の詳細はこちら


デンマーク刺繍というのはクロスステッチという技法を用いたもので、

作った方の技術が高いと裏面を見ても表面と変わらないくらいクッキリとモチーフが

縫われているのが特徴!





デンマークの兵隊さん













わかりますか?

裏面もシャープな仕上がり







ただ、これが我流で表面の仕上がりだけきれいに仕上げようとして作ったものだと

裏面はクモの巣状態で、表面の面影はほぼ見当たらなくなってしまうのだそうです。




クロスステッチの縫い方は2通りしかないのですが、

裏側をよりすっきりとした仕上がりにするために

縫ってゆく段取りを練るのが、パズルを解いてゆくように

のめり込んでしまうのだそう。

なので「あとちょっと…」と思っているうちにあっという間に時が経ってしまうんです!


北欧の長い冬、コツコツ刺繍に没頭しすぎたデンマークのお母さん達が

「あら、ごはん作るの忘れてた」

とハッとするシーンが連綿とくり返されているのでしょうね。。。



技法がシンプルなだけ、奥が深いのでこんな言葉もあるくらいです。

「刺繍はクロスステッチに始まり、クロスステッチに終わる」

なるほど、美術で言うところの石膏デッサンのようなところでしょうか。。。





ダニッシュハウスさんは今から22年前デンマーク大使館のサポートを受け設立され、

日本のたくさんの方々にデンマーク刺繍の楽しさを届けようと

現地の制作キットを用いて都内を中心にお教室を開講しています。







先生、ありがとうございました!

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2012.10.03 水曜日

秘密基地のような

今回は京王線の上北沢駅が舞台です。

上北沢の町に初めて降り立ったスタッフですが、

桜の並木道があったりと、素敵な町でした…!

プラス、各駅停車しか停まらない駅ならではのゆったり感、

というイメージ。(ポジティブなイメージです)

私事になりますがスタッフの地元も「それ」なので

ちょっとした親近感を味わうことができました。



そして今回のお教室は。。。

「製本」を学べるお教室です!



本屋さんに並んでいるようなハードカバーの書籍。

あのようなしっかりした本が自分の手で作れるという、

工作好きにはたまらないお教室です。

→お教室の詳細はこちら





フランスのルリユールという技法から学び、

それをベースに、自由にその後は好きなデザインだったり

ギミックを加えた本を制作することが出来ます。

実際こちらのお教室の門を叩く方々は

はじめから「こんな本をつくりたい!」という目的を持った方も

少なくないそうで、それを実現するにはどうすべきか。。。

ということを先生が一緒にじっくり検証してくださるのが魅力です。







こちらのお教室を運営されている山崎先生は製本に限らず

手を動かしてモノをつくることが大好きな方で、

お教室に沢山ある細々としたお道具の整理に必要な収納なども

ご自身でつくってしまう程!







お道具と資料と先生。

















この収納箱も、製本の技

を活用してつくられています。











先生が常時身に付けているこちら、

大工さんが釘や道具を入れる袋をご自身で

改良したものなんだそうです。

足下は「足半/あしなか」という

飛脚が履いていた草履。

人間工学上もメリットの多い

優れた履物なのですよ!

































他にも沢山のお道具が

工房のなかに。

秘密基地のような

非日常空間です。





製本途中のもの。



お気に入りの小説を

自分好みの装丁に製本し直したい



作品をまとめたい



さまざまな本の卵が眠っています。



お教室の様子をご覧になって、工作ごころが疼いて来た方…

ぜひおすすめです。

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